ふつうのサラリーマンにはない、独特のオーラ漂う麦谷(ばくや)さん。美大時代、20代の頃は画家を志しサンフランシスコ、シアトルに留学していた。
現在は国際貨物のオペレーターとして英語で荷の管理をする。実家から徒歩10分通勤の弁当男子である。
店がない、社食も合わない、時間が不規則、と何となく始めた弁当ライフ。自宅に食べに帰れば、と言われるが、弁当を持って家を出るからこそ気持ちが仕事モードに切り替わる。
とはいえ麦谷さん、持って出た弁当を自宅に帰って食べることもある。
「会社の休憩室に座る場所がないとそうなりますね」
淡々と語る様が可笑し可愛い(笑)じゃあ作らなくてもいいじゃん、なんていう真っ当っぽい意見は麦谷さんにはいらないのだ。
普通はパンがメイン、時々おにぎりの弁当である。
この日はイタリアの平たい丸パン・フォカッチャ+たまごハムで作るフォカッチャサンド。
おかずは鶏肉赤ピーマン、エリンギにプルーンを刻んで甘辛く炒めたもの。
赤ピーマンが色のアクセント。
そして必ず入れるグリーンオリーブの実。
「色がきれいだから」
とプチトマトと共にコロコロ。さらにサンドのチーズも2種類。
チェダーのオレンジ色とプロセスのイエローが重なって美しい色合い。
絵画的な視点で作る弁当は食べるのが惜しいような一つの作品である。